SNSで人気の病院用シンクと実験用シンクの違いって?

みなさん、今SNSで大人気の「病院用シンク」と「実験用シンク」って知っていますか?
おしゃれなお家の洗面台に必ずと言ってもいいほど、採用されている「TOTO」の病院用シンク・実験用シンク。人気の理由はいったい何?また、病院用シンクと実験用シンクの違いについても詳しく説明していきます。
「病院用シンク」「実験用シンク」とは?
SNSで「#造作洗面」を検索すると必ず見かける『病院用シンク・実験用シンク』と呼ばれる洗面ボウル。
病院の診察室や処置室、研究所、学校の理科室などで器具を洗うための流し台として使われるアイテムとなり、その業界の方にはなじみ深いものとなります。
そんなアイテムが、今リフォームや新築の洗面台で使う洗面ボウルとして施主を中心に口コミが広まり、造作洗面をつくる上で欠かせないアイテムとなっています。横幅が大きく深さのある形状に清潔感のある白色、どこか懐かしさを感じるおしゃれな四角いフォルムが普通の洗面ボウルとは違い人気の理由の様です。
特徴としては、シンク内が広く大きいため洗い物などの作業がしやすい形状で、排水口以外の機能がついていないシンプルさで機能美を追求した洗面ボウルとなります。
「病院用シンク・実験用シンク」はいくつかの種類があり、設置面の広さや用途などに合わせて最適なものをお選びください。
実は「病院用シンク・実験用シンク」は正式名称ではなくSNS上で発信された愛称となり、それぞれ以下の様な正式名称があります。
病院用シンク → 病院用流し(品番:SK106)
実験用シンク → 陶器製流し(品番:SK6、SK7)
工務店などの施工会社などプロの方とお話をされる際は正式名称でないと、スムーズに話が伝わらないという事もありますのでご注意ください。
「病院用シンク」「実験用シンク」の違い
実際に、どのような違いがあるのか比較していきましょう。
寸法
3種類のシンクはそれぞれ以下の図の様にサイズが異なります。

大きさで比較すると、大きい順から
病院用シンク(SK106) > 実験用シンク中形(SK6) > 実験用シンク小形(SK7) となります。
病院用シンク(SK106)と実験用シンク中形(SK6)は幅・奥行きはほぼ同じですが深さが違います。使用用途によってお好みの方を選んでください。
それに比べて、実験用シンク小形(SK7)は全体的にコンパクトなサイズ感です。しかし、実容量が23Lあり一般的な洗面器と同等の大きさとなり、SK106とSK6がいかに大きいかという事がわかります。
この様な大きさのある洗面ボウルは中々ないという点も人気の高い理由となります。
フチの形状
見た目はどれも似ていますが、病院用シンクと実験用シンクではフチの形状が少し違います。
病院用シンク

実験用シンク

よく見ると、実験用シンクの方が病院用シンクよりフチが厚くて太いのがわかります。
取付方法
意外と知らない方も多いかもしれませんが、病院用シンクと実験用シンクは取付け方が異なります。SNSでよく見かける、カウンターに埋め込まれているタイプは「病院用シンク」になります。
実験用シンクは基本的に壁付けの固定金具で本体を固定する形状として設計されています。
しかしながら、SNS上では実験用シンクをカウンターに埋め込んでいる投稿を多く見かけます。
技術的には埋込での取付け可能ですが、以下の様にメーカー推奨の正式な取り付け方ではないので自己責任となりメーカー保証の対象外となるのでご注意ください。
Q:壁掛け仕様の流し(SK6・SK7)を、カウンター上にはめ込み(埋め込み)設置できますか?
A:SK6、SK7は、カウンターに固定できませんので対応できません。双方とも壁掛け式の仕様として設計しており、そのためブラケットで固定する形状となっています。ブラケットを使用しないカウンターへの設置は、SK6、SK7を固定する方法がないため、対応不可です。
引用元:TOTO公式Q&A
埋め込み仕様の病院用シンク(SK106)は、フチが羽のように平らになっていてカウンターにも綺麗にはまりますが、実験用シンクは壁掛け仕様の為フチの形状がフラットではなく丸みがありカウンターにぴったりはまりません。
●病院用シンクの場合

ポイントはこのフチの部分。このフチの底辺部が水平であることによって、カウンターとピッタリ隙間なくはまるようになっています。
●実験用シンクの場合

病院用シンクと違ってフチの形状が分厚くてゴツく、フチの底辺部が水平ではない(斜めに傾斜している)ので、水平のカウンターにはピッタリはまらないのです。
どうしても、実験用シンクを埋め込みたい方は、この隙間を解消するためにシンクとカウンターの間に太いコーキングを施す必要があります。このコーキングが許容できない方は埋め込みを諦めるか、病院用シンクを選択する方が無難です。
「病院用シンク」「実験用シンク」を使うメリット
幅が広く使いやすい
病院用シンク・実験用シンクは、幅が広いので2人で並んで使用しても使い勝手が良いです。
洗面所を広く使いたいけど、2ボウルにすると費用がかかる、、、、、という方におすすめです。
深さがあるので様々な使い方ができる

もう一つの特徴が、シンクに深さがあることです。浅い実験用シンクでも15cm、病院用シンクでは22cmもの深さがありります。
底が深いので、つけ置き洗いや靴を洗ったり、ペットの洗い流し、赤ちゃんの沐浴まで幅広い使い方ができ、洗面ボウルとしての機能面はもちろん、スロップシンクとしての機能面も併せ持つマルチユースな洗面ボウルになります。
「病院用シンク」「実験用シンク」を使うデメリット
おしゃれで使い勝手のよさそうなシンクですが、もちろんデメリットもあります。
オーバーフローがない
オーバフロー機能とは、水を止め忘れてしまった時に溢れるのを防ぐために開けられた穴のことです。
「病院用シンク・実験用シンク」はこのオーバーフロー機能が付いていないため、水をためながら出しっぱなしにしてしまうと家が水浸しになります。
この点は一般住宅向けのシンクではない為、仕方がない点です。
水の流れが悪い
一般的に住宅用の洗面化粧台は水の流れをよくするためにシンクの底は傾斜がしっかりありますが、これらのシンクは底がまっすぐな上に傾斜が緩く、水の流れが少し悪いのです。
陶器製なのでスポンジでさっとこするだけですぐに綺麗にはなりますが、汚れは一般的なシンクに比べると溜まりやすいでしょう。
「病院用シンク」「実験用シンク」を採用する際の注意点
サイズの把握
一般的な洗面ボウルよりも横幅が長く610~740mmほどの幅があります。ボウル部分だけでこの寸法が必要なので、カウンター埋め込みなどにする場合はさらにスペースが必要になります。しっかりと寸法を確認して洗面所全体として使い勝手が悪くならないように気を付けましょう。
オーバーフロー機能はない
一般的な洗面台のボウル部分についているオーバーフローがついていません。一般の家庭ではシンクに水を溜めることはよくあるこですが、排水口に栓をして水を流しっぱなしにすると溢れてしまうので注意しましょう。
お手入れの際の注意点
一般的な洗面ボウルと違ってシンク底に傾斜がないため、水が流れにくいと感じるかもしれません。また、角や底面の端の部分に汚れが溜まりやすいので、こまめに掃除しないと汚れが落ちにくくなることがあります。水栓を引き出し式シャワー水栓にすると、シンクの隅まで水を流すことができてお手入れが楽にあるのでおすすめです。
一般的な洗面台よりもお手入れ方法に工夫が必要なことは知っておきましょう。
水栓のパターンと選び方
病院用シンク・実験用シンクは、カウンター一体型の洗面ボウルのように水洗を取り付ける用の穴などはありません。そのため、水栓は前面の壁につけるか、カウンター台の上につけるかのどちらかになります。
壁にシンクを直接取り付ける場合は、必然的に水栓も壁付タイプを選択することになります。シンクの取り付け形式によって、選べる水栓の種類が異なる点は注意しましょう。
当店おすすめセット商品
TOTO 病院用シンク SK106
TOTO 実験用シンク中形 SK6
TOTO 実験用シンク小形 SK7
まるで造作のような洗面化粧台「ドレーナ」の登場

直感的に選べる造作洗面の様なユニット洗面
TOTOのユニット洗面化粧台「drena(ドレーナ)」は、家具のような木の質感やぬくもりを感じられる木目調デザインの洗面化粧台。プランの中から好きなものを選んでいくだけで、簡単に造作洗面のようなおしゃれなデザインの洗面化粧台が完成します。
TOTO 洗面化粧台 ドレーナ
TOTO 洗面化粧台 ドレーナ 間口900mm セットプラン
実験用・病院用シンクに似たデザインの広くて深い四角形の洗面ボウルを採用。
見た目はそのまま、勾配を考え泡や髪の毛がスイスイ流れるようになり、最大の懸念点だったオーバーフロー機能も付いた洗面化粧台になります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?「病院用シンク」「実験用シンク」はSNS等でも混同されて紹介されていることが多いので、注意するべきシンクですが、それぞれのメリット・デメリットを理解した上で造作洗面に是非、取り入れてほしい商品となっています。
洗面所がすっきりとレトロな雰囲気になる「病院用シンク」「実験用シンク」は、サイズや形状の特徴による使いやすさも魅力です。
ただし、各メーカーの製品の仕様や特徴をよく理解したうえで設置しないと、住み始めてから思わぬトラブルが起きることもあるので注意が必要です。
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